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ETICが北京社会企業ワーキンググループの第四回会議に参加

2007年1月18日、北京社会企業ワーキンググループ(WG)の第四回交流会が、宣武区広内地区で行われた。今回の会議には、WGメンバーのほか、宣武区政府の担当職員および日本の社会企業インキュベーション組織であるETICの二人のメンバー、並びにGLI顧問の李妍焱も参加した。

コミュニティアクションによる会議記録の提供に感謝する。

時 間  : 2007年1月18日 午前9時ー12時
場 所  : 宣武区広内地区 広安賓館
内 容  :

1.社会企業WGの背景紹介: 馬仲良
 社会の発展につれ、社会経済と社会企業の問題は、中国でもすでに理論研究から実践研究に移っており、北京市もこれを重点課題として考えている。新華社は、社会企業の中国内における概況を記した“社会経済の発展を通じた調和社会実現の促進―馬仲良が提唱”を書いた。

 その内容は、「営利を目的とせず、資本価値の保持および増加を目的としない社会経済。理論研究以外にも、馬仲良、宋慶華、李凡は実践面で社会企業と社会経済の発展を促進するべく、“北京社会企業WG”を設立し、英国大使館文化教育処と協力して英国の社会企業を見学する計画を立てている。この動きが全国に広がることを期待する。」

2.広内地区の紹介 : 白傑
 広内地区は北京の発祥地であり、かつては北京文化が集まる地域だったが、今は、多くの平屋に低所得者層が集中する地域となってしまった。この問題を解決するために、広内地区では、以下に述べる「三二一事業モデル」を採用した。三つのプラットフォームとは、政策支持によって形成するバーチャル組織プラットフォーム、「政通労務サービス」プラットフォーム、及び企業と共同開発した就職機会プラットフォームである。二つの研修とは、職業技能研修と、就職成功のための技巧研修。一つの基地とは、それは失業者の研修基地である。

3.日本の社会企業の経験: 鈴木敦子(ETICディレクター)と広石拓司(ETICフェロー)

(1)広石拓司:日本の社会経済と社会企業の発展の歩み
 300年前の江戸時代、日本には「三方良し」という商業道徳があった。それは、商いの過程で、売主、買主、そして社会の三方がみな利益を蒙るべしという理念だった。近現代に入ると、社会は政府に対し依存的になり、現在も民間組織の力はあまり強くない。日本の財団法人もまた、中央の監督を受けるため、自主性に乏しい。1970年代、急激な工業化に伴い、多くの環境問題や人々の生活と密接に関わる食品の安全問題が起こった。そこで登場したのが先駆的な社会企業家であり、彼らは生産者と消費者をつなぎ、産直のしくみで有機農業を支えることで、これらの問題を解決した。
 1980年代から、日本は高齢化社会に入った。老人問題を解決するための新たなシステムが必要になり、“にんじんの会”が誕生した。この協会では、新しい看護システムを創出し、その考え方の多くが、政府の医療保険制度に採用されている。1995年、阪神大震災が日本の社会と経済に大きな影響を与えた時、政府の対応の多くが後手に回ったのに対し、民間組織が大きな力を発揮して注目を集めた。阪神大震災もまた、日本の社会経済とNPOが発展するきっかけとなった。1998年、NPO法が登場し、社会企業にとてもよいプラットフォームを提供することとなった。目下、日本には28000のNPO法人があるが、半分以上は年間予算35万人民元以下の小規模NPOである。

 日本のNPO法人は企業と政府の両面から支持を得ている。政府からの支持は主に資金面であり、政府委託事業という形で行われる。企業からの支持は、主に人材面であり、経営理念上の協力やハードウェアのサポートがある。例えば、ヤフージャパンはNPOのボランティア募集のために、専用のプラットフォームを無償で提供している。ETICは社会起業プラン・コンぺティションを行っているが、その審査には大企業も加わり、優秀なプランへの資金援助もしている。また一部のコミュニティでは、地域通貨を流通させ、地方と都会のつながりを重視し、地域経済を活性化している。

(2)鈴木敦子
 日本の若者は、ますます社会起業に注目するようになり、新しい社会生活スタイルを創造しつつある。日本の有機農家は、少しずつ発展しはじめ、リユース・リサイクル産業も徐々に普及し、受け入れられてきた。鈴木敦子は、二つの例を挙げた。
・カンボジアの子供を研修の上、ネットワークの仕事に参与させ収入を得させることで、日本とカンボジアの協力事業を推進する社会企業。
・保育経験のあるケア提供者を組織し、働く母親のために病児保育をする社会企業(NPO法人フローレンス)
2004年、ETICは“チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト”を設立して、新しい社会経済の試みを支援している。

4.ディスカッション
(1)宣武区組織部部長  
  宣武区でモデル事業を行うことを支持する。

(2)コミュニティアクション 宋慶華(GLIの新しい顧問)
  コミュニティアクションはGLIの招待を受け、イギリス大使館文化教育処の資金援助を得て2005年にイギリスへの視察・交流団に参加した。帰国後、社会企業の概念をコミュニティに広げたいと思い、馬先生と連絡をとって、李凡さんと一緒に北京社会企業WGを設立した。社会企業は三つの特徴がある。一つ目は営利を目的としないこと。二つ目は社会資源を統合し活用すること。三つ目は、人を育て、価値観を啓発すること。

(3)中国社工協会社工サービス委員会の書面発言

 今年は、社会経済研究センターを立ち上げ、理論と実際を結びつけ、全国にモデル地区をさがす予定である。目下、中国の東南部と西北部にひとつずつのモデル地区を展開することを計画している。

(4)西城区民生局局長 陳艶

 西城区で社会企業を推進する仕事をしている。市民のニーズに応えることは主に政府の責任だが、政府にも足りない点があり、社会組織の発掘と動員が必要になってくる。在宅介護問題の調査によれば、目下最も必要とされているサービスは、通院と食事の世話だ。通院の問題について、政府は地区に衛生院を建てることで、解決するが、食事の問題は、社会組織や社会企業に委託して解決することになる。立ち上げの間は、政府は経済的援助、つまり資金の一部や設備を提供し、3年以内に収支が均衡するように努力する。現在、コミュニティの食堂は、一人あるいは二人暮らしの老人の子供が、親のために食事券を購入し、レストランは老人にふさわしい栄養を考慮した食事を家まで届けている。給食サービスを受ける人の経済能力に応じ、無償・低料金・有償の三レベルに分けている。“無償”の場合、食事代と送料は完全免除、“低料金”は、コストのみ請求、“有償”は商業レベルの請求をおこなって低収入者の“無償”給食を支えている。このサービスは目下、什刹海地区で行っているが、大変好評で、政府としても、多くの組織と企業がこのサービスを提供することを望むなら、社会企業の発展を効果的に促すことができると感じている。

 政府は、注目プロジェクトを軌道にのせ、プロジェクトの発展を促進するため、銀行から小額のローンを受け、立ち上げ直後の社会企業を支援することも試みる。

 陳艶は、日本からの参加者に以下の二点の質問をした。

Q1:日本の市民はもともと政府への依頼心が強いが、社会企業の成立を促進する上で、日本政府はどのような役割を演じているのか?
Q2:日本政府は社会企業を支援するための政策があるのか?
A:日本政府はNPO法を制定して民間組織の発展を支援している。経済的にも傾斜政策を取って、NPO法人への協力をはじめている。 日本の中央政府は典型的な社会企業を探して支援している。
たとえば、経済産業省は“チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト”を支援し、優秀なプロジェクトに対しては宣伝もしている。地方政府は財源に限りがあり、往々にして一部の具体的な事務を社会企業に委託し、場所とハードウエアなどの設備を提供するにとどまっている。2003年から、日本ではコミュニティ改革が始まった。まずは、小規模なモデル地区事業、政府事務の実験、及び組織間の協力から始まる。

馬仲良: これと類似するが、中国政府も新しい社会管理体系の形成と改善を行っている。

(5)英国大使館文化教育処 路海栄
 英国大使館文化教育処は、今後ともソーシャルイノベーション業務を推進し、コミュニティワーカーと社会企業の推進者を組織して、引き続き英国視察を行うことを計画している。

(6)東城区和平里地区コミュニティ建設科 科長 王同叙
Q:日本のコミュニティは社会経済の中でどのような働きをしているか?
A:社会起業家はコミュニティから来ており、コミュニティは社会起業家を造り出し、フィードバックしていると言える。地理上のコミュニティは必ずしも人々が認識する所のコミュニティではなく、コミュニティ経済は伝統的なコミュニティだけに固定できず、同じ事を共に行う人は共通の心理的コミュニティを持っている。これらの先進的なリーダーを発見し、ネットワーク化して、一つのプラットフォームを与え、時代を導く任務を通じて社会企業を推進していく。

(7)北京北控三興信息技術有限公司 鄭暁華
北京北控三興信息技術有限公司は政府の電子業務のサプライヤーで、政府の情報化プロジェクトを担当している。社会企業に対しても興味があり、調和社会建設の過程で、IT企業が如何に技術を応用できるのか、考えて行きたい。

(8)首都社会経済発展研究所 于暁静
 社会経済の台頭は、西側の福祉国家が直面した困難に起源がある。福祉体制が国家に巨額の経済的負担を負わせたため、市民はますます納税意欲をなくし、かといって福祉レベルを下げたくもない。そこで、多くのソーシャルイノベーションの概念を打ち出し、社会企業という形式で、高品質低価格のサービスを提供することとなった。西側の福祉制度改革は上から下へ進んだもので、就業誘導型の福祉体制改革と言える。社会福祉設定の原則は、社会経済の消耗を以って社会の発展を妨げてはならない、ということだ。

Q1:日本の社会企業の発展は福祉改革と関係があるのか?
A1:社会企業は不完全なところを補完する意味がある。

Q2:社会企業と一般の慈善組織とは、どうちがうのか?
A2:社会企業は慈善のイノベーションであり、価値体系の啓発であり、新しい生活の提案である。一般の慈善組織は主に救済問題の解決を扱う。

Q3:社会企業のインキュベーションは、どのように運営されるのか?
A3:一般的には二つの形式がある。ひとつには社会企業コンテスト、“社会企業イノベーションコンテスト”のように、順位のためではなく、より多くの新しい方法や考え方を発見あるいは提供し、コミュニティ経済に挑戦するため。もうひとつは社会起業学校。この学校では違う社会背景を持つ参加者同士が連携を強め、起業という形式で相互に支えあうネットワークを作る。

 

(寄稿:コミュニティ・アクション  翻訳:松江直子)

作者:  Fancy更新 |  GLIニュース |  28 January 2007 |  00:00

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