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【中国】第8回GLIネットワーカーサロン:欣耕工房交流会

2008年3月9日(日)の午後、GLIは上海の南京東路にあるコミュニティー文化センターで第8回GLIネットワーカーサロンを開催した。サロンでは、上海の社会的企業「欣耕工坊」の創始者である朱柄肇さんと劉蓉さんによる講演が行われた。また、デンマークのKaosPilotsビジネス・スクールの学生であるMarkさんが、KaosPilotsが上海で実施しているプロジェクトについて紹介した。今回のサロンには企業、大学、NGOなどから22人のネットワーカーが参加した。

欣耕工房は、貧困扶助と就学支援のための社会的企業で、ベジタリアン食材業者、民間芸術の愛好家、そしてジャーナリストの3人によって2007年5月に設立された。経歴の異なる3人の創始者のアイディアによって、 欣耕工房の製品は貧困扶助と就学支援に貢献すると同時に、中国の民間文化の普及と環境保護に寄与するという特色を持っている。

貧困扶助と就学支援: 農村を訪問した経験のある創始者らは、農村教育への寄付活動が主に小中学校に集中しており、高校レベルでの学費支援は見過ごされがちなことに気がついた。一部の子供達は寄付により小中学校の9年制教育を終えた後、高校に進学するために必要な経済的サポートが継続されなければ、村に戻って農業に従事するしかない。これではそれまでの就学支援費用と子供達が学んだ知識は無駄になってしまう。3人は、学業資金の支援と同時に、子供達の成長のために良好な環境をつくることも非常に大切だということに気がついた。そのためには就学をサポートする以外に如何に子供達の両親の暮らしを改善し、安定した収入を得られるようにできるか、そして安定した家庭生活が送れるようにできるかを考えるようになったのだ。

中国の民間文化: 劉さんは、 以前中国の民間文化の継承と普及を行う仕事をしていた。しかし、有りのままの民間文化は市場価値に欠け、芸術品ではあっても生活用品ではないため、独特な文化的製品は往々にして都市部に住む人々にとって魅力あるものではない。だが、もし都会の人々のニーズに応じてデザイナーが新しいデザインを施し、中国文化の要素を融合した日用品をつくることができればとても歓迎されるはずだ。そのため欣耕工房の製品には、中国文化の要素を持つ日用品、そして純粋な中国の伝統文化による芸術品の2種類がある。

環境保護: 朱さんは、青海省で仕事をしていた際に当地の砂漠化がひどく、農民は生活のために過度の伐採を行い、環境保護の意識がないことに気づいた。このままの状況が続けば土地は更にやせて悪循環となり、農民の生活にとって問題は大きくなるだけだ。このため欣耕工房の製品は環境に優しい材料を使用している。価格は一般の製品より高くなるが、大切なのは環境保護の理念を広めることができることだ。

欣耕工房の最初のテスト地点は河南省のエイズ村だ。この村の人々は、高収入だが非常に危険な花火・爆竹の違法製造を行っている。どの村民の家にも危険な火薬が積まれており、頻繁に爆発が起こるため村民の多くはって障害を持つようになった。だが、彼らはほかに生計を立てる方法がないために花火・爆竹の違法製造に頼らざるを得ない。欣耕工房の手工芸品制作は花火・爆竹の製造ほど高収入ではないが、安定的かつ安全なため、この仕事は村の女性達から非常に歓迎されている。現在欣耕工房の活動はまだ初期段階にあるため注文はそれほど多くないが、20人近い村民が製造に関わっており、一人当たり毎月300から500元の収入を得ることができる。それと比較して、例えば村で1ムー(約6.7アール)のトウモロコシを植えた場合、コストを差し引いた後は1年で300元の儲けしか残らない。

欣耕工房は、ビジネスモデルを以て運営される社会的企業であり、就学援助をセールスポイントにしているわけではない。欣耕工房が農民に研修を行う際には、経営の信頼性と製品の高品質を求めるように指導している。製品の競争力によって収入と尊敬を得るのであって、他人の施しによって自分たちの生活を改善するのではない、と。

欣耕工房についての詳細はGLIウェブサイト上の記事をご覧下さい。
欣耕工房 -- 貧困扶助・就学支援を目的とする社会的企業
 
欣耕工房による講演の後、デンマークのKaosPilotsビジネス・スクール2年生のMarkさんが、彼の通うユニークな学校について紹介した。当校は15年前に設立され、毎年35名の学生が卒業している。ロッテルダムやストックホルム等を含む4カ所の拠点がヨーロッパにあり、現在上海に拠点を置くための準備をしている。 学生はデンマーク以外の拠点で学習及び生活することにより外部の情報に触れ、言葉が通じない国で学習することで、更に独立心を鍛えることができるのだ。

全学習過程は3年間で、プロジェクトデザイン・プロセスデザイン・ビジネスデザインの3つの部分に分かれている。この3側面の学習は順を追って進められ、最終的にはプロジェクトが生み出す利潤によってソーシャル・イノベーションを推進することが目的だ。学生は学習過程において、リスクを負うこと、競争意識の確立、現実問題の解決、サービス対象のニーズを理解すること、及び斬新で面白いことを起こすことなどについて学ぶ。

KaosPilots学校が学生を募集する際には21歳から35歳までという年齢制限を設けているが、経歴は問わない。Markさんと同期の学生の中には、レストラン経営者、警察官、旅行家、学生、会社員、企業家、パイロット等様々な人がいる。

今回のネットワーカーサロンの活動により、ネットワーカー達は社会的企業の理念と運営方式、そして中国における社会的企業の発展について改めて実感し、またソーシャル・イノベーションに関心を持っているユニークなビジネス・スクールについて理解を深めた。講演後の自由交流時間中には、ネットワーカー達と欣耕工房やKaosPilotsとの間で連絡先の交換が行われた。欣耕工房の製品についてのパワーポイントや実物を見た後、早くも2名のネットワーカーが欣耕工房とエコバッグの生産について商談を始めた。上海ではちょうど今年の6月からプラスチックの無料レジ袋が撤廃されるため、エコバッグに対するニーズが高まるからだ。また、学生のネットワーカーはKaosPilotsに興味を持ち、学生の募集状況や卒業後の進路等についてMarkさんに詳細を聞いていた。

文責:朱征
翻訳:A.K

作者:  松江更新 |  GLI関連 |  25 April 2008 |  00:00